hyperloop

現実世界のアイアン・マン、夢の超高速輸送システム案をお披露目

by • August 13, 2013 • Latest NewsComments (0)6234

Real-life Iron Man Unveiled Long-Teased “Hyperloop” Sketch.

オンライン・コンテンツ会社Zip2、ペイパルの前身であるX.comで財を成し、2013年3月時点で27億ドル(2605億円)もの巨額な資産を保有するイーロン・マスク氏。宇宙輸送の開発を目指すスペースXを創立させ、テスラ・モーターズの会長兼最高経営責任者(CEO)として、辣腕を振るいます。いわば、映画「アイアン・マン」のトニー・スタークの現実版ともいえる人ですね。

キャメロン・ディアスと噂になったときは、別の意味でアングリ。
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その彼、満を辞して待望の超高速輸送システム「ハイパーループ」を12日引け後に発表しました!

マスク氏をして「コンコルドであり、超特急弾丸列車であり、エアホッケーでもある」という人々の想像を超える輸送システム、時速は1時間に720マイル(1159km)と、新幹線「のぞみ」の3倍近いんです。

どのようなシステムなんでしょうか?知っておくべき5つの事項を、タイム誌が教えてくれます。

1)サンフランシスコ-ロサンジェルス間を35分で移動
車で最低でも6時間弱かかる600kmという距離を、35分で移動だなんて飛行機より高速!アルムニウムの筒型ポッドには、人だけでなく自動車も収納して完全輸送が可能なんです。

ボブスレーっぽいですよね。
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2)ハイパーループの動力
空気抵抗を減らした鉄製のチューブを走る筒型ポッドの上部はスキー板状で穴が開いていており空気を押し上げ浮上効果を与えるほか、磁石と電磁パルスを駆使しリニアモーターカーの要領で移動を可能にします。

こういう仕組みなんですって。
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3)走行ルート
カリフォルニア州をモデルとしており、州間道5号線沿いを挙げています。地下や地上ではなく、陸上輸送のようなシステムということでしょう。最大速度が1時間800マイル(1287km)ですから、水平かつ直線的な経路が求められます。

確かに直線的です。
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4)建設費用
サンフランシスコ-ロサンジェルス間の場合は約70億ドル(6755億円)と見積もっております。カリフォルニア州で提案された高速鉄道の費用が700億ドル(6兆7550億円)でしたから、わずか10分の1。気になる運賃は、国内航空運賃以下になるとされていますから、数百ドル(数万円)でしょうか。

5)実現は未定
イーロン・マスク氏本人は、テスラの決算発表時にカンファレンス・コールにてスペースXとテスラの業務に携わる必要性から直接建設に関わる予定はないとしています。ただし仮に専念すれば、デモ実現に1-2年、テスラなどとの兼業で3-4年と発言していました。

車社会のアメリカで受け入れられるかは非常に疑問ですが、日本人のワタクシとしてはぜひ叶えていただきたい!とはいえ、マスク氏に賛同して支援する億万長者が現れるのを待つしかないのは、悲しい限りです。

今回の発表時期は、個人的に興味深かった。なぜなら、バロンズ誌がテスラに対し懐疑的な見方を示していたから。バロンズ誌は1)電池コスト引き下げの障害、2)走行距離200マイルの大衆車である第3世代車を2017年までに販売するのは困難、3)欧州とアジアを含めた出荷台数、年間4万台は野心的――などの理由を挙げてました。また、4-6月期決算結果にも、旧式会計を使用していると一刀両断。大衆車の導入が実現しなければ、12日終値時点で147.38ドルの株価が50ドルまで下落すると言い放っています。

ちなみにテスラが7日引け後に発表した4-6月期決算で、純損失は3050万ドル。リース・プログラムの15セントを含めた1株当たり損益は20セントの黒字となり、アナリスト予想の20セントの赤字のところ予想外の結果でした。売上高も4億510万ドルと市場予想の3億8790万ドルを超えており、前年の2670万ドルから、飛躍的な伸びを遂げていたんです。特にセダン「モデルS」の出荷台数が5150台と、同社予想の4500台強を上回りました。生産ペースも大幅に速くなり、週間生産台数は400台からほぼ500台へと25%増加したことも大きいんでしょう。

バロンズ誌はフェイスブックやアマゾンに噛み付いたことで知られるように、保守派の論客です。自動車産業から高速道路の建設をつかさどるインフラ産業など旧型産業を脅かす企業に肩入れるはずもなく。南アフリカからやって来たマスク氏の挑戦には、今後も辛らつな論説をぶつんでしょう。

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